

Awards and Commendations
2022年7月5日、和泉研究室の平野正徳さん(D2)がIIAI AAI 2022においてBest Paper Awardを受賞しました。
<受賞した賞の名称と簡単な説明>
Best Paper Award in IIAI International Congress on Advanced Applied Informatics 2022
https://iaiai.org/conference/aai2022/
本Congressにおいて、最も優秀な論文に送られる賞
<受賞された研究・活動について>
【発表タイトル】
Analysis of Demand Response Scenarios by Industrial Consumers Using Artificial Electric Power Market Simulations
【研究内容】
実際の日本の工場における電力使用にフォーカスをあて、デマンドレスポンスと呼ばれる電力使用のパターン変化をさせた場合の効果について分析を行った。
デマンドレスポンスは、電力需給がひっ迫する状況への解決策として注目されがちであるが、実際にはCO2の削減効果や電力調達効率化においても有用である。
そこで、本研究においては、シミュレーション環境を作成し、様々なデマンドレスポンスを比較分析をおこなうことで、実際にデマンドレスポンスを行う際に有用な示唆を得た。
<今後の抱負・感想>
本論文の共著者である若杉くんの貢献なくはこの賞を受賞することはできなかった。共著者にこの場を借りて感謝するとともに、私自身もさらに精進したいと考えている。
【受賞/表彰等】2022年6月22日、大澤幸生教授が人工知能学会において業績賞を受賞しました。
<受賞した賞の名称と簡単な説明>
賞名称:人工知能学会業績賞
社団法人人工知能学会では、人工知能に関する学術またはその応用に関し、著しい業績を成し遂げた者を表彰し、もって学術またはその応用のより一層の発展を奨励することを目的として、人工知能に関する学術またはその応用に関し著しい実績がある者のうちから選定して学会員である個人に業績賞を贈呈します。選考方法は正会員、役員等による記名推薦に基づき、選定委員会(委員長1名、幹事2名、委員からなり今回の総数は21名)により選定されます。審査基準は人工知能に関する学術またはその応用に関しての業績とその寄与と波及効果を考慮し、特に独創性あるいは、有用性を重視するものです。
表彰は6月22日(社員総会終了後)に行われ、受賞者には賞状と記念メダルが贈呈されました。東京大学では辻井潤一教授以来二人目の受賞で、工学系研究科では初受賞となります。
<受賞された研究・活動について>
受賞理由:データ保有者とデータ解析者の相互作用に着目した先駆的研究
大澤幸生氏はデータ解析がデータ保有者とデータ解析者との相互作用に着目し、そのプロセスの本質を追究してきました。まず、1998年にKeyGraph のアルゴリズムを発表、地震、ビジネス、医療等のデータに活用し、本手法によって抽出されるグラフ構造から単に共起性のネットワークのみならず、周辺的な領域が、専門家のイノベーションを誘発することを報告、その発見プロセスをチャンス発見プロセスと名づけ、さらにこれを発展させデータ科学における様々な概念を提案しました。その後、データ解析をデータサイエンティストとドメインの専門家とが知と価値の錬成の場であることを発見して知識とデータ相互作用に着目し、専門家のもつ潜在構造の炙り出しに基づき、データの設計と使用可能なデータから対象の潜在構造を可視化するプロセスであるInnovators’ Marketplace on Data Jacket(IMDJ)を2013年に提案し、その上での専門家のイノベーション創成を促進する様々な技術を開発してきました。さらに、IMDJを単一分野のみならず異分野間のデータが流通する多層空間に拡張し、異種データネットワークからなる創造的データ市場においてデータ間の相互作用を説明する研究開発を進めています。
IMDJの手法はビジネス領域に対する応用のみならず、COVID-19の流行予測のプロジェクトにも適用され、人の分布、特に「知らない人との接触」が本質的な情報であることを意味するStay with Your Communityという原理を発見し、2020年に発表しました。この成果で専門家に対して他手法では得られなかった有益な提言を行うことができました。
以上、大澤幸生氏はデータ駆動型イノベーションの本質を追究し、さまざまなアルゴリズムを開発したのみならず、自らさまざまな領域に適用し、大きな成果を得てきた。データ解析の本質に対する四半世紀にわたる一貫した研究成果は人工知能学会の業績賞に値するとの理由により受賞しました。
<今後の抱負・感想>
誠に光栄です。多くのメディアがごく最近の人工知能のトレンドを見て日本のレベルを低く評価しがちですが、人工知能は機械学習を同義ではなくはるかに広大な分野であり、日本の人工知能学はその広大な分野の夢と本質を追求する発展性と魅力において、世界のトップだと私は思っています。そんな人工知能分野における偉大な先輩、同世代、若手の皆様をさしおいて私を評価して頂けたことは誠に光栄の至りです。
しかしながら、賞を私が頂くだけでは、本来工学が追求する人間社会の利益としてはあまりにも限界がありますので、その内容と発展の方向を今後もお伝えしてゆきたいと思います。データ連成イノベーションリテラシー(DFIL)社会連携講座による記念講演会には研究科長はじめ様々な方にご祝辞など頂けることとなり、深く感謝しております。今後とも、知識システムを育てる工学と3D連携(産官民学×国際×学際)の発展に微力をささげたいと願っております。
【受賞/表彰等】2022年5月21日、大澤・早矢仕研究室の早矢仕晃章講師が船井情報科学振興財団 研究奨励賞を受賞しました。
<受賞した賞の名称と簡単な説明>
賞名称:船井情報科学振興財団 研究奨励賞
説明: 情報科学、情報技術分野を中心に広く理工系分野において、顕著な研究業績のあった若手研究者に与えられる賞です。
<受賞された研究・活動について>
受賞テーマ: データ利活用知識基盤構築による異分野データ協創と設計支援システムの開発と応用
https://funaifoundation.jp/grantees/young_awardees_up_to_now_21.html
<今後の抱負・感想>
このような名誉ある賞をいただき、大変光栄です。データは、世の中で起こる様々な事象を観察・記録し、伝達する人間の営みそのものです。ここには分野横断的かつ魅力的なトピックが非常に多くあり、データと人のインタラクションを創発する技術開発は来るデータ駆動社会に大きく貢献できると考えています。今後は国内外の仲間・コミュニティ作りにも力を入れていき、研究の魅力を発信していきたいと考えています。
2022年5月25日、髙橋・万研究室の高倩さん(D2)、佟驍航さん(D1)、趙子豪さん(D1)、徐若塵さん(D1)が「2022年SAMPE学生ブリッジコンテスト世界大会」で優勝しました。
<受賞した賞の名称と簡単な説明>
SAMPE(Society for the Advancement Material and Process Engineering)学生ブリッジコンテスト世界大会は繊維強化複合材料による橋の軽量性を競う年1回の大会で、強化繊維の種類と橋の形状により8つのカテゴリーに分かれており、東大チームが2022年のカテゴリーB(炭素繊維を用いた中空長方形断面)で優勝しました。
<受賞された研究・活動について>
この世界大会には日本大会の優勝チームが日本代表として派遣されるもので、高橋・万研究室は日本大会で過去3年連続優勝してきましたが、世界大会が開催されたのはコロナの影響で3年ぶりでした。炭素繊維の異方性を活用したFEMによる最適構造設計の後に手作業で成形と評価試験を何度も繰り返し、外観と音診断から強度のバラツキが最も小さいと推定された勝負橋で世界大会に望みました。
<今後の抱負・感想>
この度、このような賞をいただき大変光栄に思います。今回の受賞にあたり様々なサポートをしてくださった研究室の方々に深く感謝いたします。現在我々ができるベストを尽くした作品で挑みましたが、入賞常連のワシントン大学やUCLAなど世界の強豪大学を抑えての優勝は運にも味方された結果と考えています。今回これらの強豪大学と交流して貴重な気付きやアドバイスを得ることができましたので、今後もデザインと成形技術をさらに改善して研究室の後輩に伝えていきたいと思います。