加藤・中村・安川研究室の小笠原光基さん (M2),佐々木航さん (M1),松波亮佑さん (M1) が,日本地質学会においてそれぞれ学生優秀発表賞を受賞しました。

概要
加藤・中村・安川研究室の小笠原光基さん (M2),佐々木航さん (M1),松波亮佑さん (M1) が,日本地質学会においてそれぞれ学生優秀発表賞を受賞しました。

受賞者氏名・所属
小笠原光基 (システム創成学専攻修士2年),佐々木航 (システム創成学専攻修士1年),松波亮佑 (システム創成学専攻修士1年)

賞の説明
日本地質学会第130年学術大会 学生優秀発表賞

研究・活動の説明
小笠原光基
・タイトル:Re-Os年代測定法に基づく兵庫県明延鉱床における鉱化時期の検討 ・概要:持続可能な社会を実現するために必要となる様々な金属の供給を確保するために、新しい鉱床の発見が世界的に重要視されています。鉱床の形成は地下のマグマ活動と密接な関わりがあると言われていますが、その詳細は明らかになっていません。優良な鉱床の形成プロセスが解明されれば、同様の地質学的条件を手がかりとして、新たな有望鉱床の発見に繋がることが期待されます。今回は、兵庫県の明延鉱床を対象に、マグマ活動と鉱床形成の因果関係を明らかにするべく、鉱脈が形成された年代をRe-Os放射年代法により高精度で決定しました。その結果、明延鉱床の形成年代は、これまで推定されてきた値よりも1000万年ほどさかのぼることが判明し、周辺の花崗岩質マグマとの密接な成因的関連性が新たに示唆されました。 

佐々木航
・タイトル:後方散乱強度ヒストグラムのピークフィットと海底画像の解析に基づく南鳥島周辺におけるマンガンノジュールの分布様態
・概要:マンガンノジュールは、二次電池の重要な原料であるコバルトやニッケルを高濃度で含有し、新しいレアメタル資源として注目を集めています。2016-17年に南鳥島周辺でのマンガンノジュール分布調査が行われ、マルチナロービーム音響測深機による海底面の後方散乱強度調査と「しんかい6500」を用いた潜航調査が実施されました。先行研究のMachida et al. (2021) は、得られた後方散乱強度データを解析し、マンガンノジュールの密集域を示す強度閾値を明らかにしました。しかし、データのヒストグラムに見られる明瞭な複数のピークと海底面の特徴との関係は未解明のままでした。本研究では、これらのピークと海底面の特徴との関係を探るため、ピークフィット解析を行いました。さらに、「しんかい6500」で得られた海底画像を併せて解析し、各ピークとマンガンノジュール分布の関係を調べました。これにより、海底面からの音響反射がマンガンノジュールの分布様態とどのように対応しているかを明らかにしました。

松波亮佑
・タイトル:海洋-堆積物間のNd質量収支ボックスモデルに基づくレアアース泥生成の支配因子の長期変動の検討
・概要:新規資源として開発が期待されているレアアース泥の有望海域の選定には,その成因の理解が重要です.本研究では,モーターや発電機に不可欠な強力磁石の原料として産業上重要であり,レアアースの代表的な元素であるネオジム (Nd) を対象とした新たな数理モデルを構築しました.本モデルでは,海洋と深海堆積物の間でのNdの質量収支を定量化し,感度分析および長期シミュレーションを行うことで,太平洋の全域におけるレアアース泥生成の支配因子とその長期的な変動を定量的に検討しました.その結果,堆積速度および大陸縁辺域から海洋へのレアアースの流出がレアアース泥の品位に大きな影響を与えること,またダストフラックスの変動によって実際の遠洋性堆積物コア試料に見られるレアアース泥品位の増減の傾向を概ね再現できることが明らかとなりました.

受賞者コメント
小笠原光基
本賞の受賞にあたり、加藤先生をはじめとした同研究室の皆様や、研究にご協力していただいた兵庫県養父市の皆様、分析を実施させていただいている千葉工業大学の皆様、日頃から支援をいただいている服部国際奨学財団などに深く感謝いたします。このような栄誉ある賞をいただいたことを誇りに思う一方で、現状に満足せず研究を突き詰めて行きたいと感じている部分もございます。私の修士研究にはまだまだ解明すべき点が多くあり、それをできる限り解明するため、これからも気を引き締めて取り組んでいきたいと思います。

佐々木航
本賞の受賞にあたり、安川先生、中村先生、加藤先生、千葉工業大学の町田先生などサポートしてくださった方々に深く感謝いたします。修士課程での研究を評価していただき、またこのような栄誉ある賞をいただき大変誇りに存じます。本研究によって、船上からの音響探査により海底マンガンノジュールの資源分布・資源量推定を従来より詳細かつ効率的に行える可能性が示されました。今後は、機械学習を応用して画像分析をより高精度に行うことや、対応関係が生まれる理由の考察、他海域への適用可能性の検討などに取り組む予定です。今回の学生優秀賞をいただいたことに感謝しつつ、より一層研究に励む所存です。

松波亮佑
本賞の受賞にあたり,安川先生をはじめ,サポートいただいた方々に深く感謝いたします.これまでの研究成果を評価していただき,このような栄誉ある賞を頂けたことを大変誇りに思います.今回の受賞を励みに,今後も研究活動に精進してまいります.

髙橋・万研究室の森島拓生が先端材料技術協会から「奨学賞」を受賞しました。

  • 受賞日 2023年9月25日
  • 氏名 森島 拓生
  • 研究科、専攻等 工学系研究科システム創成学専攻 博士1年生
  • 受賞した賞の名称と簡単な説明 先端材料技術協会「奨学賞」
  • 受賞された研究・活動について 浮体式洋上風車FAWTのLCAに関する研究
  • 今後の抱負・感想 この度は奨学賞を頂き、大変光栄に思います。ご指導いただいた高橋先生をはじめ、この研究に携わった研究室の皆様に心より感謝申し上げます。浮体式洋上風車はかなり新しい構造で解決するべき課題が多く残されています。今回の受賞を励みに、今後も課題解決に向けて邁進してまいります。

髙橋・万研究室の薛鵬、朱政陽、王邱珺、烏園園が先端材料技術協会から「奨学賞」を受賞しました。

  • 受賞日・⽒: 2023年09⽉25⽇,薛鵬、朱政陽、王邱珺、烏園園
  • 専攻等と学年: システム創成学専攻・博士3年、修士2年、修士2年、博士3年 
  • 受賞した賞の名称と簡単な説明: 先端材料技術協会「奨学賞」
  • 受賞された研究・活動について: 先端材料技術協会(SAMPE)が主催する学生ブリッジコンテストの日本大会で優勝し、さらに日本代表として参加した2023世界大会においてもカテゴリーBで優勝した、日頃のたゆみない研究ともの作りに対する情熱に対して表彰いただきました。
  • 今後の抱負・感想等: この度、このような賞をいただき大変光栄に思います。今回の受賞にあたり様々なサポートをしてくださった研究室の方々に深く感謝いたします。世界レベルのコンペティションで貴重な知見やアドバイスを得たので、今後もデザインと成形技術をさらに改善して研究室の後輩に伝えていきたいと思います。

船舶航海性能試験水槽が第7回「ふね遺産」に認定されました

  • 受賞日:2023/09/11
  • 受賞者:東京大学
  • 受賞した賞の名称と簡単な説明:公益社団法人 日本船舶海洋工学会では、歴史的価値のある「ふね」関連遺産を「ふね遺産」(Ship Heritage)として認定し、社会に周知し、文化的遺産として次世代に伝える事業を行っています。東京大学船舶航海性能試験水槽は世界初の耐航性·操縦性実験用角水槽として、非現存の施設ですが<船舶の研究関連設備,機器>のカテゴリーで「ふね遺産」に認定されました。
  • 受賞された研究・活動について:コンピュータ制御によるX-Y曳引電車を装備した世界で初めての角水槽であり,今日の船舶海洋水槽の礎を築いた。この水槽は広い水面を必要とする船舶の航海性能の研究や各種海洋構造物の開発研究に貢献した。特に操縦性の分野ではそれまでの特殊な円形水槽に代わるCMTと呼ばれる画期的な試験法が開発され,今日では標準的な試験法になっている。船舶工学における流体力学の確立•発展に加えて,船舶•海洋構造物の技術開発や教育・人材育成に多大な貢献をしてきた。
  • 今後の抱負・感想等:東京大学船舶航海性能試験水槽は現存しておりませんが、他の学内水槽を活用して研究を進めていきます。

 

辻 健 教授が、2023年米国地球物理学連合(AGU)でThe Asahiko Taira International Scientific Ocean Drilling Research Prizeを受賞されました。

2023年9月13日、システム創成学専攻 辻 健 教授が、2023年米国地球物理学連合(AGU)でThe Asahiko Taira International Scientific Ocean Drilling Research Prizeを受賞されました。授与式は12月にサンフランシスコで開催されるAGU Annual meetingで行われます。工学系研究科サイト

【受賞/表彰等】川畑研究室の綿貫成さん(修士課程2年)が2023 ASME Pressure Vessels & Piping ConferenceにおいてRUDY SCAVUZZO STUDENT PAPER COMPETITION-BS/MS category-Outstanding Student Author賞を受賞しました。

  1. ⽒名:
    綿貫成
  2. 研究科, 専攻等と学年:
    システム創成学専攻・修士2年
  3. 受賞した賞の名称と簡単な説明:
    RUDY SCAVUZZO STUDENT PAPER COMPETITION-BS/MS category-Outstanding Student Author賞
  4. 受賞された研究・活動について:
    タイトル:INVESTIGATION ON A METHOD OF COUNTING LOW-CYCLE FATIGUE IN STEEL UNDER CRACK CLOSURE AND RANDOM VARIABLE AMPLITUDE LOADING
    概要:原子力発電所を安全かつ経済合理的に設計する上で、低サイクル疲労における過度な安全性は重要な課題の一つです。亀裂が進展すると亀裂閉口効果が生じ、これが疲労寿命を短く見積もる原因の一つと考えられています。そこで本研究では、き裂開口点を簡易的に割り出し設計に導入する手法としてSODP(Second Order Differential of P)法を提案しました。これにより、現行規格では最大15%の誤差が生じていたものを9%にまで低下することに成功し、さらに寿命予測の波形依存性の低下も実現しました。
  5. 今後の抱負・感想等:
    本賞の受賞にあたり、川畑先生をはじめ、共同研究先である東京電力ホールディングス株式会社の皆様・実験員の方々などサポートしてくださった方々に深く感謝いたします。修士課程での研究を評価していただき、またこのような栄誉ある賞をいただき大変誇りに存じます。本研究によってき裂閉口効果除去による低サイクル寿命予測の高精度化を実現しましたが、き裂開口点の厳密な特定や低サイクル疲労におけるミクロ組織の影響など,解明すべき点が多く存在します。残り短い修士の研究ですが、今回の受賞に恥じぬよう精一杯取り組みたいと思います。

 

【受賞/表彰等】システム創成学専攻 髙橋・万研究室の薛鵬、烏園園、朱政陽、王邱珺が「2023年SAMPE学生ブリッジコンテスト世界大会」で優勝しました。

  1. ⽒名:
    薛鵬、烏園園、朱政陽、王邱珺
  2. 研究科, 専攻等と学年:
    システム創成学専攻・博士2年、博士3年、修士2年、修士2年
  3. 受賞した賞の名称と簡単な説明:
    SAMPE(Society of Advanced Materials and Process Engineering)学生ブリッジコンテスト世界大会は繊維強化複合材料による橋の軽量性を競う年1回の大会で、強化繊維の種類と橋の形状により8つのカテゴリーに分かれており、東大チームが2023年のカテゴリーB(炭素繊維を用いた中空長方形断面梁部門)で優勝しました。研究室としては2年連続の優勝となります。
  4. 受賞された研究・活動について:
    この世界大会には日本大会の優勝チームが日本代表として派遣されるもので、高橋・万研究室は過去4年連続で日本大会を制し、昨年の世界大会でも優勝しました。炭素繊維の異方性を活用したFEMによる最適構造設計の後に手作業で成形と評価試験を何度も繰り返し、外観と音診断から強度のバラツキが最も小さいと推定された勝負橋で世界大会に望みました。
  5. 今後の抱負・感想等:
    この度、このような賞をいただき大変光栄に思います。今回の受賞にあたり様々なサポートをしてくださった研究室の方々に深く感謝いたします。現在我々ができるベストを尽くした作品で挑みましたが、入賞常連の世界の強豪大学を抑えての優勝は運にも味方された結果と考えています。今回これらの強豪大学と交流して貴重な気付きやアドバイスを得ることができましたので、今後もデザインと成形技術をさらに改善して研究室の後輩に伝えていきたいと思います。

【受賞/表彰等】川崎研究室の四ツ島樹さん(M2)が日本物流学会において物流研究奨励賞を受賞しました

川崎研究室の四ツ島樹さん(M2)が日本物流学会において物流研究奨励賞を受賞しました

<受賞した賞の名称と簡単な説明>
日本物流学会物流研究奨励賞(日本物流学会正会員が3名以上所属する教育機関・研究機関等に在籍する学生・若手研究者のうち、特に顕著な成果を収めた優秀な物流研究者に対して与えられる)

<受賞された研究・活動について>
論文題目:サプライチェーンネットワークの頑健性とその構造的特徴

概要:本研究は、グローバル企業間取引データ用いて時系列サプライチェーンネットワーク(SCN)を構築し、SCNの頑健性と構造的特徴を明らかにし、種々のリスクイベントに対するネットワークの頑健性や機能低下の様相を特定したものである。またサプライチェーンの機能維持力を高める条件を発見し、企業群がリスク対応として取るべき戦略の立案に貢献した。リスクイベントの一つとして米中貿易摩擦を取り上げ、米中間の半導体の取引が全て途絶したケースを分析した。また、時系列サプライチェーンネットワークの作成方法としてネットワーク重複率の新たな指標を提案した。

<今後の抱負・感想>
本賞の受賞にあたり、川崎先生はじめ、サポートいただいた方々に深く感謝いたします。修士課程での2年間の研究活動とその成果を評価していただき、このような栄誉ある賞をいただけたことを大変誇りに思います。川崎研究室では、普段の研究活動をはじめ、輪読やゼミ、ジャーナルへの論文投稿や国際学会での発表、さらに他大学との共同ゼミなど、多様かつユニークな、充実した経験をさせていただきました。今後は大学から離れますが、研究で得た経験を活かし、社会に貢献していけるよう邁進して参ります。