⼈⼯物ネットワーク
「破壊」や「損傷」は材料や構造の代表的な力学的極限状態です。このため、これらの極めて複雑な力学現象を深く理解し、適切に制御することは工学分野における最も基本的かつ重要な課題の一つです。これは、数学および物理学の知識を基礎とした「適切なモデル」を構築することができて初めて実現されます。柴沼研究室では、従来不可能であったこのような材料・構造の損傷・破壊信頼性を予測/評価する革新的なモデルを構築することを目標として研究を行っています。
破壊は極めて複雑な物理現象であり、急速な発展を見せる計測技術の最新の手法を駆使しても、得られる情報は未だその一部の側面に過ぎません。当研究室では、様々なスケールで多面的に物理現象の支配因子を捉え、マルチスケールに複数のモデルを統合化することで、現象全体の説明を試みる従来にはないアプローチによって新たな理論体系の構築に挑戦しています。
既設構造物の経年劣化が進み、それらを合理的に維持管理するシステムの構築が喫緊の課題となっています。当研究室では、大規模な社会基盤構造物における疲労やクリープといった代表的な経年劣化に対して、現象論的・統計的なアプローチを統合することで維持管理の合理性を飛躍的に向上させる革新的なシステムの構築に挑戦しています。