◆大学院入試について▶入試案内
社会経済システム
交通工学分野で標準的に用いられるネットワーク分析手法を活用し、世界規模の国際海上コンテナ貨物輸送ネットワークと世界各地域の陸上輸送ネットワークを統合したインターモーダルな国際物流モデルを構築して、世界各地に適用しています。これまでに、中米、東南アジア、南アジア、中国・ロシア・中央アジアなどを含むユーラシア全域(上図)、大洋州、アフリカ、日本などを対象として、中国による一帯一路政策をはじめとする各国の物流関連政策に加え、JICAや国土交通省などの政府機関、アジア開発銀行などの国際機関、民間企業などが実施する国際協力・インフラ開発投資等のプロジェクトの影響シミュレーションを行っています。様々な種類の入力データの効率的なハンドリングや、現状値の入手が限られるなかでどうやってモデルの精度を高めていくかという点もポイントです。
一定以上の大きさの船舶に標準的に装備されているAIS(自動船舶識別装置)等から取得される船舶動静データは、海上輸送分野のビッグデータといえます。これを活用し、様々な種類の船舶(コンテナ船、バルクキャリア、タンカー等)の航行ルートを地球規模で把握し、さらに、船舶の挙動特性などを踏まえ、AISデータからは直接把握できない貨物の流れを推計する手法を開発します。船舶工学の知識も反映しつつ、誤差を一定程度含む膨大なデータからより効率よく推計を行うアルゴリズムを構築していきます。