◆大学院入試について▶入試案内
グローバル循環システム
資源循環型社会の構築は、SDGsの12番目の目標に明記されるように、世界的な課題の1つです。カーボンニュートラルを支える電池やマルチマテリアルの経済性のある資源循環プロセス構築を目指し、粉砕・破砕、物理選別、湿式および高温プロセスを組み合わせ、新規分離技術またはプロセスを構築します。分離の評価には、高速カメラ・顕微鏡による直接観察や、X線・磁気分析を駆使した固体分析や溶液分析、ゼータ電位測定やAFM測定を駆使した界面分析など、高度なキャラクタリゼーション技術を駆使します。将来的には、それら分離特性を製品製造にフィードバックすることを目指します。
資源利活用を支える環境修復技術およびプロセス開発健全に資源を利活用するためには、有害元素を含む廃水や排ガス処理を対象とした高効率かつ安定した処理技術またはプロセスの構築が重要です。主として固液または固気界面に特有の構造変化に着目し、有害元素が高効率に沈殿または吸着する環境材料や環境浄化プロセスの開発を実施します。同時に、適切に処理を評価するキャラクタリゼーションにも注力します。工学的に環境浄化技術やプロセスを高度化するうえで、固液界面での現象を原子・分子レベルで機構解明しつつ研究を進めることに特長があります。
高度な資源利活用のためのシミュレーション技術開発計算機を利用したシミュレーションは、実験的な開発を補完する大変有効な手段です。固体同士の分離を可視化し機構を解明するための粉体シミュレーションや、溶液内の沈殿・溶出・吸着の機構を解明し反応速度を把握するための地球化学シミュレーション、高温プロセスにおける各種元素の状態を把握するための熱力学シミュレーション、電気パルス法による分離機構を解明するための電界シミュレーション、衝撃波伝搬シミュレーション、変形シミュレーションなどが研究の対象です。