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グローバル循環システム
人類最後のフロンティアとも言われる深海に眠る鉱物資源「レアアース泥」や「マンガンノジュール」は、社会の持続的発展を支えることのできる新たな資源として注目されています。その効率的な探査・開発の鍵となるのは、それらがいつ、どこで、どのようにして生まれたか、つまり成因を解明することです。そこで、光学・電子顕微鏡によってフロンティア資源の物質的実体を明らかにし、さらに微化石分析や同位体分析を駆使して生成年代を決定する研究を実施しています。
鉱物資源は大気、海洋、大陸、生物などの地球の構成要素が複雑に関わり合う「グローバル物質循環システム」の中で、さまざまな物質が循環し、有用元素が集まった結果生まれたものです。この巨大で複雑なシステムの中に、鉱物資源生成の支配要因を見出し、それに基づいてフロンティア資源の生成に適した、地形、年代、環境といった条件を制約していくことによって、広大な地球から探査海域を絞り込み、効率的に資源を見つけ出すための新たな探査指針を構築します。
鉱物資源は、過去から現在に至るグローバル物質循環システムの変遷を記録した「地球の歴史書」ともいえます。つまり、鉱物資源に含まれている生物活動の痕跡や、構成物質の特徴を詳細に調べていくことで、数千・数億・数十億年前から現在に至るまでの地球の営みの歴史を知ることができるのです。それを知るために、顕微鏡を用いた分析、化学組成・同位体分析などにとどまらず、フィールドワーク、データ解析など、あらゆる視点から研究を実施しています。