東京大学

Department of Systems Innovation,School of Engineering,
The University of Tokyo

◆Information on Regular Admission◆
 Information sessions are scheduled for April 26 and May 25.

 

専攻概要

工学知を統合し、自然や社会と調和のとれた革新的な「システム」の実現を目指す「システム創成学専攻」。 専攻長から進学を希望する皆様へのメッセージ、システム創成学専攻の教育理念、専攻理念をご案内いたします。

メッセージ
メッセージ
システム創成学専攻 専攻長からのご挨拶
専攻理念
専攻理念
システム創成学専攻の ミッション
教育理念
教育理念
システム創成学専攻の 教育理念、強み

専攻長からのメッセージ

専攻長からのメッセージ

夢を語れる人になろう

 新たなアイディアで革新的な社会・経済的価値を生み出すイノベーションは、新技術の誕生で生じるとは必ずしも限りません。鳴り物入りの新技術が社会に評価されないこともあれば、既存の手法をうまく融合することでイノベーションに結び付くこともあるのです。これは現代社会が巨大複雑系(高度に発達した多種多様な知識や技術が相互に関連しつつ社会的活動と融合した系)であることが原因です。細分化された各分野が急速に発達したため、その進展方向と社会的ニーズが必ずしも一致せず、強い社会的ニーズがありながらも既存技術の延長で埋まらない領域が増大している状況なのです。
 巨大複雑系が内包する課題を積極的に発見し解決する試みは、巨大人工物である船舶や原子力、宇宙システムに関連した分野で先進的に発達してきました。同じように社会や経済に多大な影響をあたえ、多様な学術領域や対象にまたがる横断的分野として、資源開発工学や安全工学、サービス工学も挙げられます。具体的な対象が異なっていても、巨大複雑系の課題を把握し、分野を融合しつつ解決するという行為には、共通項がありそうです。システム創成学は、これを学術的に実践しようとする試みです。
 そのためシステム創成学専攻で実施される研究には、社会的課題の解決を目指す目的駆動型という特徴があります。巨大船舶を安全に動かしたい、高効率でエネルギーを生産したい、地球環境の保全と資源の確保を同時に最適化したいなど、明瞭な大目標が設定されます。システム創成学専攻に身を置くということは、目的達成のための工学的イノベーション創出の場に参加するということであり、巨大複雑系における社会的課題の的確な把握と、その具体的な解決プロセスを学ぶことに他なりません。
 次世代を担うみなさんは、世に役立ちたい、大きなことを成し遂げたい、といった漠然とした希望を抱きながら、さまざまな夢を描きつつあるでしょう。システム創成学専攻で目的駆動型の研究経験を積み、専攻で実施される多様な課題解決プロセスに潜む共通構造を学ぶことは、あなたの夢を社会的課題に重ね、異分野の人へと語れるほど具現化し、実現するのに必ず役立つはずです。希望とやる気に満ちた皆さんが私たちの専攻に加わることを大いに歓迎します。

2021年4月
東京大学大学院工学系研究科
システム創成学専攻 専攻長
宮本英昭

システム創成学専攻の専攻理念

システム創成学専攻の専攻理念

新たな教育・研究を展開

システム創成学専攻では、人間、人工物、自然をとりまく様々な現代的課題に立ち向かえる人材を輩出するために、ものごとを多面的、俯瞰的視点から捉えるシステム科学を基礎として、専門領域に細分化された従来の工学知を統合し、自然や社会と調和のとれた革新的なシステムの実現のための原理と方法論に関する教育・研究を展開していきます。

新たな価値を創造

急速にグローバル化し、加速的に複雑化している現代社会において噴出する様々な課題を解決するためには、ものごとを多面的、俯瞰的視点から捉えるシステム思考が重要となってきています。 すなわち、対象を構成する基本要素を抽出、分析するといった旧来型の工学的貢献ではなく、要素間の関係性や相互作用を考慮しながら総合化し、個別の専門領域で培われた知識や技術を統合することによって、環境問題や安全安心社会の実現等、現代社会が直面する課題に対して具体的なソリューションを提供し、新しい価値の創出や革新的にシステムをイノベーションすることが新たに工学に求められているのです。 例えば、自然と社会、技術との調和を実現するためには、工業製品等の人工物ばかりでなく、ヒューマンウェア、マネジメント、サービス、社会制度等といった人工物を取り巻く環境への関与も必要となってきます。さらに、個別の人工物の設計製造を追求するだけでなく、それらの人工物が社会に与える影響や合理的な実装方法を考慮する重要性も日々増しています。また、個別の製品価値だけでなくそれらを取り巻く社会や環境の仕組みを全体的に再設計することで、他の追随を許さない総合的な価値を創出する可能性も期待されます。

新たな分野を開拓

工学が社会の期待に応え活躍の場をますます拡大していくために,システム創成学専攻は、工学知の統合、システム思考をベースに自然システム、人工物、社会システムの機能的融合を目指す工学の新分野を開拓していきます。

研究分野

システム創成学専攻の教育理念

システム創成学専攻の教育理念

システム創成学専攻の教育目的

システム創成学専攻では、俯瞰的視点とシステム思考に基づき戦略的に意思決定を行う能力、特定専門分野におけるアナリシス能力を備え、俯瞰的視点から先端的要素技術の開発ができる人材、革新的なシステムの創出ができる人材の養成を教育目的とします。 修士課程においては、特定工学分野の基礎が確立できているとともに、システム科学の概念と方法論について十分に理解し、社会の各分野でシステム創成学の専門家として活躍できる人材の養成を主眼とします。 博士課程においては、さらに現実世界の中から自ら課題を発見し、その解決に向けてプロジェクトを企画立案し、そのプロジェクトのメンバーとして自己の専門知識と技能を有機的に活用して解決する能力を有するシステム創成学の高度専門家を養成するとともに、その一連のプロセスを科学的に分析し普遍化することのできる研究者を養成します。

システム創成学専攻のコアコンピタンス

システム創成学専攻では、以下の4つの力を育みます。

  • 問題の本質を領域横断的、俯瞰的、かつ体系的に捉えるシステム思考能力。
  • 複雑な現実問題を数理的、実証的アプローチが適用できる形にモデル化して解決する能力。
  • 工学の特定専門分野において専門家として認知されるに十分な知識と技能。
  • 自己を磨きつつ社会の中で人と関わりながら活躍できる人間力。

2021年度 時間割(PDF)

期待される卒業生像

期待される卒業生像

卒業生の進路としては、ハード、ソフト、サービスを問わず産業界において新製品・新規事業の企画立案や、設計、生産、運用、管理の計画、実施に責任を有する指導的技術者・管理者、公共政策等の社会システムのデザインや決定、実施に責任を有する行政スペシャリスト、システム創成学や学際的学術分野の研究者等が想定されます。

卒業生の進路

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