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2022.1.27(Thu)
受賞・表彰【受賞/表彰等】システム創成学専攻の大澤幸生教授
2021年12月13日、大澤幸生教授がIntelligent Systems Design and Applications (ISDA’21) , Hybrid
Intelligent Systems (HIS'21), Information Assurance and Security (IAS2021), Soft Computing and Pattern Recognition (SoCPaR 2021), Innovations in Bio-Inspired Computing and Applications (IBICA'21), Nature and Biologically Inspired Computing (NaBIC 2021) ,Information and Communication Technologies (WICT'21)の7国際学会の合同会議において、Innovative Research Awardを受賞しました。
<受賞した賞の名称と簡単な説明>
説明:Intelligent Systems Design and Applications (ISDA’21) , Hybrid Intelligent Systems (HIS'21), Information Assurance and Security (IAS2021), Soft Computing and Pattern Recognition (SoCPaR 2021), Innovations in Bio-Inspired Computing and Applications (IBICA'21), Nature and Biologically Inspired Computing (NaBIC 2021) ,Information and Communication Technologies (WICT'21)の7国際学会の合同会議において、学術界と産業界の両面に対しイノベーションに資する研究業績を持つ研究者に対して米国Machine Intelligence Research Labs(米国ワシントン) から贈られる賞です。本年から創設されました。
<受賞された研究・活動について>
発表/ポスターのタイトル(→受賞理由):データジャケットによるデータ市場における技術的貢献および長期にわたる(人工知能関連の)学術コミュニティにおける書物編纂と会議関連活動に対して(To recognize technical contributions in the Innovators Marketplace on Data Jackets and outstanding long-term services to the community through editorial and conference related activities)
講演概要:講演に対する賞ではありませんが、受賞時に依頼された基調講演です。
演題:データ連成イノベーションのリテラシーとしての特徴概念の表出化(Elicitation of Feature Concepts as Data Federative Innovation Literacy)
基調講演概要:講演者は2000年以降、データサイエンスの一分野であるチャンス発見学を創始し、具体化してきた。チャンス発見とは、人間の意思決定にとって意味のある事象に関するデータの一部である、有用性の高い情報を検出し説明することである。当時、チャンスに結びつく潜在的なダイナミクスを表現するためには、対象世界のネットワークモデルにおける構造がカギになると考えていた。そして、チャンス発見の方法を、データセットのメタデータを対象として転用することによって、データの有用性を説明するために拡張しました。ある事象に関する情報の有用性を他事象との関連性を考慮して説明するというチャンス発見の方法論は、データセットの有用性を、他のデータセットとの関連性から説明する方法論に発展させることができた。しかしながら、接続可能な(属性や使用目的を共有する)データセットを組み合わせて作成された新しいデータセットから得られる情報は解釈が難しい。元のデータセットと同じ分析モデルではデータ利用者の要求も対象世界のダイナミクスも異なるため、元のデータセットと同じ分析モデルをそのまま適用することができないためである。そこで、対象とする新たなデータを用いる前に、「特徴概念」(Feature Concept)を描き出すという着想を得た。特徴概念とは、データの中から取り出したい概念のモデルであり、変数のような単純な特徴では表現できないが、概念的な図解であれば表現できる。決定木やクラスター、さらにはディープニューラルネットワークなども特徴概念の例として位置づけられる。この基調講演では、チャンス発見とデータジャケットを用いた創造的なコミュニケーションのデザインの歴史を、マーケティング、地震前兆の検知、COVID-19拡散リスクの抑制など、いくつかの応用事例とともに振り返り、これらの事例で引き出され使用された特徴概念を紹介する。ここでの重要なメッセージは、特徴概念を表出化し、共有し使用/再利用する能力は誰にでも習得でき、データ連携イノベーションのリテラシーとなることである。
<今後の抱負・感想>
この賞の受賞時の基調講演には人工知能研究にかかわる多くの聴講者が世界から参加されており、機械学習、自動化という固定観念から脱却して「人の、人による、人のためのデータとイノベーション」という私のスローガンとあわせて関心を向けて頂けたと感じていますし、私が言わなくてもこの関心は世界中の多様な専門領域がひしめき「知のプレート境界線」に巨大なエネルギーを蓄えているところだと考えています。2022年4月から、「データ連携イノベーションリテラシー」を社会連携講座として設置し、異業種の4社の支援と参加により推進します。学術界と産業界からの期待をポジティブに裏切る発展をめざしたいと思います。