⼈⼯物ネットワーク
現代の人類は、地球規模でのエネルギー問題に直面しています。在来型化石燃料や地下資源等のエネルギーに主に依存している現状から脱却する方法の一つとして、人工光合成に代表されるような新しいエネルギー”資源”の創成が模索されています (エネルギー資源のパラダイムシフト)。現実的な方法の一つは、太陽光、風力、潮力、地熱発電等の再生可能エネルギーを利用することです。しかし、この再生可能エネルギーを効率的に利用するためには、そのエネルギーを物質エネルギーへと変換し、社会で広く利用可能な新しいエネルギー”資源”を創成する必要があります。当研究室では、この新しいエネルギー”資源”の創成とそれを利用した革新的な社会システムの構築に挑戦します。
アンモニアは大気中の窒素から合成でき、水と窒素のみを排出する新しいエネルギー資源として期待されています。アンモニアをエネルギー資源として利用する「アンモニア社会」の実現に必要な次世代型窒素固定触媒の開発を行っています。分子触媒である窒素錯体をデザインし、常温常圧の温和な条件下で進行する触媒的なアンモニア合成反応の開発に取り組みます。
身の周りにあるプラスチックや医薬品等の化成品等は、触媒を用いた化学反応の積み重ねで合成されています。より効率的な合成法の開発は資源、エネルギーの観点から重要です。我々は触媒技術を用いることで、未来を担う化学反応の開発に取り組みます。