グローバル循環システム
日本周辺海域の海底下に存在するメタンハイドレート(MH)は、次世代のエネルギー資 源として期待されており、東海沖~熊野灘の海域メタンハイドレートだけでも約1.1兆 m3のメタン資源量(国内ガス消費量の約13年分に相当する量)が明かになりました。 MH資源開発研究コンソーシアム(経済産業省)のプロジェクトリーダーとして、MH資源の早期実用化を目指す研究に取り組んでいます。窒素や二酸化炭素を注入してハイ ドレートからメタンを分離採収するプロセスの開発、数値計算によるハイドレート分解とガス生産挙動の評価・予測、ガス開発の経済性評価等を行っています。
(独)産業技術総合研究所との共同研究で、将来の商品化を目指したメタンハイドレー ト(MH)貯留層シミュレータ(MH21-HYDRES)を開発中です。MH21-HYDRESは、 MH層からのガス生産挙動を予測することのできる世界で数少ないシミュレータの一つで、実際のフィールドでのMHガス生産試験の解析や日本近海のMH開発経済性評 価におけるガス生産挙動予測等に活用されています。
流体エネルギー資源の開発に関する多孔質媒体内の伝熱・物質移動現象のモデリング 研究を継続して行っています。実験と計算的アプローチの両面から、ハイドレート分解 を伴う多孔質媒体内ガス・水の2相流動、高圧・低温下における多成分混合物の相挙動 のモデリングを行っています。